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すっかり寒くなってきましたね、
急な冷え込みで、風邪を引かないようにと毎日緊張の連続です(^_^;)

さて、1月14日(土)、当事務所の松崎暁史弁護士が、遺言・相続についての法律講座講師をつとめました。
(おきなわ女性財団主催 @てぃるる)

定員の30名を大幅に上回るご参加をいただき、ありがとうございます!!

当日は、遺言と相続についての基本的な知識や、実際の相談で多いトラブルなどをわかりやすくお話しさせていただきました。
また、質問もたくさん承りました。

講座の様子は、当事務所HPでご覧下さい(^^)/
(「沖縄 ゆい法律事務所 新着情報」で検索)
今後も、ゆい法律事務所の弁護士は、こうした法律講座の講師を積極的に行っていきたいと思いますので、
ぜひよろしくお願い申し上げます!
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2017.01.16 Mon l 遺言・相続 l top
「相続」の問題は、どなたでも直面しうるものであり、ご相談も、相続に関するものが少なくありません。
そうしたご相談の中で、よくあるご質問について、お答えいたします。

Q.遺産分割に、時効などの期間の制限はあるのか?
A.遺産分割とは、相続財産を分割し、分割した財産を各相続人に確定的に帰属させる手続きです。
遺産分割を請求する権利は、時効にかかることもなく、期間の制限はありません。
したがって、法律上は、被相続人が死亡した時から長期間たっていても、遺産分割を行うことはできます。
ただし、時間がたてばたつほど、相続財産にかかわる資料がそろいにくくなり、どういったものが相続財産に含まれるのかを明らかにすることが難しくなっていきます。また、相続人だった人がお亡くなりになると、代がかわり、相続人の数が増え話し合うことが難しくなったりすることも珍しくありません。

ですので、遺産分割は、できるだけ速やかに行うことがのぞましいです。


Q.父が亡くなり、母と兄弟姉妹5人で遺産分割を行うことを考えている。
兄弟姉妹は実は他に2人いるが、ずいぶん前から親戚づきあいはまったくなく、どこで暮らしているかもわからず、行方不明である。死亡しているかもしれない。
このまま遺産分割の協議を行っていくことに問題はないか。

A.まったく付き合いがなく、行方不明と思われる、あるいは死亡していると思われる場合であっても、法定相続人にあたる人であれば、遺産分割協議に参加してもらわなければなりません。
遺産分割協議は、法定相続人全員の協議によって合意がなされる必要があるからです。
そのため、法定相続人は、被相続人の両親の戸籍まで遡って調査する必要があります。
また、法定相続人が死亡していても、その人に子どもがいる場合は、その子どもが相続人となりますので(代襲相続といいます)、注意が必要です。


Q.亡くなった母は、生前、長男である私に「全財産を相続させる」とよく言っていたし、亡くなる直前も同じように言っていた。このことは、他の兄弟姉妹も全員知っている。遺産分割は、この母の“遺言”どおりになされるべきだと思うが、可能か。
A.「遺言」は、日常用語としては、広く、故人が死後にそなえて遺した言葉などを指します。
故人の遺志を尊重すべき事はそのとおりですので、遺産分割にあたっても、法定相続人同士で、こうした遺志をふまえた話し合いをすることがのぞましいといえます。
しかし、法律上の「遺言」はあくまでも、民法の定める方式に従ったもののみをいい、したがって、遺産分割においても、法定の要件を満たしている遺言だけが、法的な効力を持ちます。
そのため、たとえ亡くなった方が生前何度も言っていたことであっても、法定要件を満たさない場合は、話し合いで行わない限り、“遺言”どおりに遺産分割を行うことは出来ません。
2015.08.04 Tue l 遺言・相続 l top
一口に相続のご相談といっても、さまざまな事案があるのですが、

今回は、遺言書があった場合のケースで大事なことをご説明します。

たとえば、
父死亡、相続人は母と子ども3人(長男、二男、長女)、遺言書あり。
というケースで、遺言書で「長男にすべて相続させる」となっていた場合、

誰にどのような権利があるのでしょうか??

この場合、遺言書で何ももらえないことになっている、母、二男、長女にしてみれば、非常に不公平な気がします。

そして、実際、こうした「不公平状態」を一定程度解消する制度が、法律上も定められています。
これを、遺留分(いりゅうぶん)制度

といいます。
相続の場合に、被相続人(このケースだと父)が相続人(このケースだと、長男だけでなく、母、二男、長女)のために必ず相続財産の一定部分をなんらかの方法で保証する制度です。

では、どのような形で遺留分は保証されるのか?

まず、今回のような、特定の相続人にだけ遺産のすべてを相続させる、という内容の遺言書は、内容が不平等だから無効ということになるでしょうか?

答えは、NOです。
遺言というのは、遺言者が自由にその内容を決めることができ、相続人の誰かが何ももらえないような内容であっても、有効になります。

もっとも、そうすると、やはり不平等でありますので、遺留分という制度がもうけられているのです。

以下、具体的に説明します。
・まず、遺留分を主張できるのは、兄弟姉妹以外の相続人です。つまり、配偶者・子ども・直系尊属(両親、祖父母や曾祖父母)です。

・請求する相手は、
 原則として、遺産を貰った人やその承継人です。

・主張できる範囲は、
  ①相続人が、直系尊属だけ(親や祖父母だけ)の場合:遺産の3分の1
  ②相続人が、上記以外の場合:遺産の2分の1
  ↓
 これを個別の相続人で説明すると、今回のケースの場合
  母:1/2(遺留分の割合)×1/2(法定相続分)=1/4
  二男:1/2(遺留分の割合)×1/6(法定相続分)=1/12
  長女:二男と同じ

・主張できる期間
 相続の開始と、遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから、1年間経つと、時効消滅してしまいます。
 また、相続開始の時から10年経った場合も、権利の行使ができなくなります。

・遺留分の計算のしかた
 原則相続開始1年前までになされた贈与分を、遺産に加え、それから債務すべてを除いたものを基準に、算定します。


このように、遺留分は、相続人の間の不平等を一定程度解消する制度として重要なものですが、
行使できる期間が決まっていたり、場合によっては計算方法が難しかったりします。
また、色々な種類や数の遺産がある場合(預貯金、不動産、株券など)は、具体的になにを請求するか、という問題もあります。

遺留分の請求ができるのでは…?とお考えの場合、まずは一度弁護士にご相談いただければと思います。



2015.01.09 Fri l 遺言・相続 l top
遺言の代表的なタイプとして、公正証書遺言について、前々回のブログでご説明しました。

今回は、もう一つの代表的なタイプ、自筆証書遺言をご説明します。

このタイプの遺言は、
・遺言書の全てを自分で書き、印を押すことが、遺言としての効力を持つために絶対に必要です。

・自分で全部書くのは、本文全文だけでなく、日付と氏名もです。

・手書きでなければいけませんが、カーボン複写は「自書」として扱われることになっています。

・押印は、遺言書には絶対に必要ですが、封をした場合の封印は不要です。

・訂正や変更は、必ず、どの場所を訂正・変更したのかを示し変更した旨を遺言書に書きそこに署名し、かつ変更場所に印を押す、という方法を取る必要があります。


形式で気をつけなければいけないこととしては、他にも、
共同遺言は禁止されている、ということがあります。
 例えば、ご夫婦で同じ書面で遺言をしたいと思っても、これは2人以上が同一の書面ですることになり、民法上禁止され ています。


内容で気をつけるべきこととしては、
出来るだけあいまいな表現は避ける、ということが一番大事でしょうか。
 遺産のうち、何を、誰に相続させるのか、といった内容については、自分以外の人が読んでも具体的にわかるよう記載することで、死亡後のトラブルを避けることができます。
 もっとも、具体的にどのような文章であれば問題があるのかないのか、わかりにくい場合もありますので、一度専門家に相談することをおすすめします。


自筆証書遺言のメリット、デメリットですが、
メリットとしては、
・誰にも知られず、自分一人で作成できる。
・費用がかからない。
・簡単に作成できる。
・新しい遺言書を作り直すのが簡単
 ※ちなみに、遺言書は、いつでも撤回でき、新しい日付のものが有効となります。

デメリットとしては、
・形式などに間違いがあると、無効になってしまいかねない。
・内容が不明確な場合、トラブルのもとになってしまう。
・改ざんされたりする危険がある。
・死亡後、家庭裁判所での検認(けんにん)という手続きが必要となる。


どのようなタイプの遺言書を作成するかどうかは、大事な問題ですので、ご参考にして頂ければと思います。

 
2014.11.26 Wed l 遺言・相続 l top
近ごろ、
「遺言書を作りたい」という方が増えています。

終活(しゅうかつ)、といった言葉もよく聞かれるようになりました。
エンディング・ノートも、たくさんの種類が本屋さんで売られています。

自分の最後のありかたは、自分で決めたいと考える方が増えてきているのだと思います。

財産に限っていえば、のこされるお身内や親しい人にとっても、ご本人の意思が明確な形で示されることは望ましいといえます。
法律上の効果がある、ご本人の意思表示は、遺言(法律上は、いごん、と言います)ですが、よく活用される遺言のタイプは2つあります。

1つは、公正証書遺言といい、ご相談にみえた方には、出来るだけこの方法で遺言をお作りすることをすすめます。
これは、公証役場というところで、公証人によって作成される、公正証書として作られる遺言のことです。

なんだか難しく聞こえますが、公証役場の役割は、実はとても大事なものですので、少しご説明したいと思います。

そもそも公証制度というのは,国民の私的な法律トラブルを事前に防ぎ,法律関係を安定させ、はっきりさせることを目的として,証書の作成等の方法により、一定の事項を公証人に証明させる制度です。
公証人は,判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験が豊かな人たちです。
そして、公証人にお願いして作ってもらう書類を、公正証書というのですが、公正証書は、作成を公証人にお願いした人の意思にきちんと基づいているものだと強く推定されます。

そのため、公正証書としての遺言は、遺言者の意思どおりの効果が認められますので,相続をめぐるトラブルの防止などに大きな力を発揮するのです。

このように、公正証書遺言は、のちのトラブル防止や、また遺言に書かれた内容の実現がスムーズに行われやすいというメリットがあるため、遺言を作りたい方は、まずはこの方法をおすすめします。

もっとも、公正証書遺言の形を取れば、すべての内容が法律上有効である、ということではありません。

また、法律では相続に関してさまざまな決め事がなされているため、相続が問題なく行われるためには、そうした法律上のポイントを踏まえることが大切な場合もあります。
公正証書遺言をどのような内容にするかは、ぜひ一度弁護士に相談していただければと思います。



2014.09.30 Tue l 遺言・相続 l top