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今年の冬は、暖かいですね。
寒がりの私はつねに厚着なので、ポカポカした日は汗ばむほどで、てぃだの恩恵をしみじみと感じます。

さて、日頃仕事をしていて、大事だなとよく感じることについて書いてみようと思いました。

それは、他人に事実を伝えることの大事さと難しさ、です。

弁護士として、毎日のように、初めてお会いする方から、初めて耳にするお話をうかがいます。
お話をきちんとお聞きしなければ、と毎回新たな気持ちで相談にのぞみますが、
お話しされる方も、初対面の人間に対して、限られた時間でこみいった話をするという作業はなかなかに大変だろうなぁと思います。

また、訴訟や調停といった裁判手続きの中で、依頼者さんの陳述書を作って出すということがよくあるのですが、そのための聴き取りのときも、同じように思います。

小学校のときに習う、
「いつ」「どこで」「誰が」「なにを」「なんのために」「どうやって」。
(英語で、5W1Hとかいうやつですね)

これが本当に大事だと、つくづく思います。

けれども、なんでもかんでも細かすぎると、伝えたいポイントがわからなくなってしまうので、メリハリをつけなければならない、これも大事なのです。

なんだ、そんなこと当たり前だろう、とお思いかもしれませんが、

法律相談、法律トラブル、というのは、
当事者にとって、とても精神的負担が大きかったり、感情に揺さぶられてしまう、ということが当然にあり、
また、ケースによっては、事実関係がとても複雑だったりするので、

「いつ」「どこで」「だれが」…というのを整理して伝える、理解する、というのは決して簡単な作業ではないのです。

そして、忘れてはならないのが、
“自分は知っていることでも、相手は知らない”
ということです。
これも、当たり前のことに思いがちですが、つい忘れがちになってしまうことでもあります。
(場面はちがいますが、夫婦の間など、親しい関係では、この思いこみの積み重ねが、うめられない溝(みぞ)を作ってしまう場合がありますよね。。。)

もちろん、聞き手の側も、
自分の経験などから来る思いこみで話を聞いては、事実をきちんと理解できない危険があり、
ありのままを聞く。
(かつ、整理を行いながら)

ということを、私もつねに自分に言い聞かせるようにしています。


…と、この記事を書きながら、あらためて聞く作業、というものの奥深さを感じ、
今年も全力投球で、ご相談者・ご依頼者のお話をうかがおう、と決意を新たにしました!





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2015.01.15 Thu l 弁護士への相談一般 l top
一口に相続のご相談といっても、さまざまな事案があるのですが、

今回は、遺言書があった場合のケースで大事なことをご説明します。

たとえば、
父死亡、相続人は母と子ども3人(長男、二男、長女)、遺言書あり。
というケースで、遺言書で「長男にすべて相続させる」となっていた場合、

誰にどのような権利があるのでしょうか??

この場合、遺言書で何ももらえないことになっている、母、二男、長女にしてみれば、非常に不公平な気がします。

そして、実際、こうした「不公平状態」を一定程度解消する制度が、法律上も定められています。
これを、遺留分(いりゅうぶん)制度

といいます。
相続の場合に、被相続人(このケースだと父)が相続人(このケースだと、長男だけでなく、母、二男、長女)のために必ず相続財産の一定部分をなんらかの方法で保証する制度です。

では、どのような形で遺留分は保証されるのか?

まず、今回のような、特定の相続人にだけ遺産のすべてを相続させる、という内容の遺言書は、内容が不平等だから無効ということになるでしょうか?

答えは、NOです。
遺言というのは、遺言者が自由にその内容を決めることができ、相続人の誰かが何ももらえないような内容であっても、有効になります。

もっとも、そうすると、やはり不平等でありますので、遺留分という制度がもうけられているのです。

以下、具体的に説明します。
・まず、遺留分を主張できるのは、兄弟姉妹以外の相続人です。つまり、配偶者・子ども・直系尊属(両親、祖父母や曾祖父母)です。

・請求する相手は、
 原則として、遺産を貰った人やその承継人です。

・主張できる範囲は、
  ①相続人が、直系尊属だけ(親や祖父母だけ)の場合:遺産の3分の1
  ②相続人が、上記以外の場合:遺産の2分の1
  ↓
 これを個別の相続人で説明すると、今回のケースの場合
  母:1/2(遺留分の割合)×1/2(法定相続分)=1/4
  二男:1/2(遺留分の割合)×1/6(法定相続分)=1/12
  長女:二男と同じ

・主張できる期間
 相続の開始と、遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから、1年間経つと、時効消滅してしまいます。
 また、相続開始の時から10年経った場合も、権利の行使ができなくなります。

・遺留分の計算のしかた
 原則相続開始1年前までになされた贈与分を、遺産に加え、それから債務すべてを除いたものを基準に、算定します。


このように、遺留分は、相続人の間の不平等を一定程度解消する制度として重要なものですが、
行使できる期間が決まっていたり、場合によっては計算方法が難しかったりします。
また、色々な種類や数の遺産がある場合(預貯金、不動産、株券など)は、具体的になにを請求するか、という問題もあります。

遺留分の請求ができるのでは…?とお考えの場合、まずは一度弁護士にご相談いただければと思います。



2015.01.09 Fri l 遺言・相続 l top
みなさま

あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


旧年中は、公私ともにさまざまな出会いにめぐまれ、おかげさまで弁護士として充実した仕事を行えたと思っております。

今年は、さらに、ご相談者・ご依頼者に寄り添い、真の紛争解決のために力を尽くす所存です。
あらためて、よろしくお願い申し上げます!

弁護士 林 千賀子
2015.01.05 Mon l 日々の雑感 l top